2009年06月29日

『年刊日本SF傑作選 超弦領域』発売前夜

 いよいよ明日30日、つぎの「年刊日本SF傑作選」、『超弦領域』が発売となる。

さて、昨年12月から本年1月にかけてこのブログに掲載した「次の年刊日本SF傑作選を予想しよう!」企画を、皆さん覚えておいでだろうか。
 
 編者の趣味、昨年のムーブメント等を考慮して収録作品を予測し、正解数によって私が罰ゲームを受けるという企画である。もう誰も覚えていないと思うのでしらばっくれるのは簡単だったが、それはそれで寂しいので、よせばいいのに蒸し返すことにした。

 ではおさらい。前に載せた予想は以下の通り。しつこく書いていることだが、ここに書いた作品は「私の選んだ年間ベスト」ではなく「編者が選びそうなベスト」であることにご注意を。


@飛浩隆 「はるかな響き Ein leiser Tone」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

A小林泰三 「時空争奪」(早川書房Jコレクション『天体の回転について』)

Bタタツシンイチ 「奴等」(光文社『異形コレクション 未来妖怪』)

C藤田雅矢 「ブルームーン」(THE BIG ISSUE JAPAN103号)

D円城塔「後藤さんのこと」(『ex-po』vol1〜vol6)

E川上未映子「戦争花嫁」(『早稲田文学』 1)

F法月綸太郎「ノックス・マシン」(野性時代2008年5月号)

G谷甲州「産医、無医村区に向う」(『SF Japan』2008 SUMMER)

H野尻抱介「南極点のピアピア動画」(『SFマガジン』2008年4、5月号)

I川上弘美「にわとり地獄」「事務室」 (『モンキービジネス』「このあたりの人たち」♯1、♯2)

J青木淳悟「夜の目撃談」(『早稲田文学』 2)

K伊藤計劃 「From the Nothing, with Love」(『SFマガジン』2008年4月号)

L吉川良太郎 「吸血花」(『SF Japan』2008 WINTER)

M瀬名秀明 「鶫(つぐみ)と(ひばり)」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

N小川一水 「青い星まで飛んでいけ」(『SFマガジン』2008年7月号)

収録作家名は既に公表されているが、収録作品は明日、全国書店店頭でようやく判明する。
そして正解数に応じた罰ゲームは以下の通り。


零問正解  修行し直します。長編SFを翻訳します。
一問 目をキラキラさせながら、女の子に「夏への扉」をプレゼントします。
二問 目をキラキラさせながら、自分の作品で短編集を編んでコミケで売ります。
三問 目をキラキラさせながら、出身高校の図書館にSFを大量寄付します。
四問 目をキラキラさせながら、「ゼロ年代」をテーマに評論を書きます。

(引き分けゾーン・半罰ゲーム)
五問  「美亜へ贈る淫獣」のタイトルで短編を執筆、会誌に載せます。
六問  「反逆者の月がのぼる空」を執筆、会誌に載せます。
七問  「超人類カウルは衰退しました」を執筆、会誌に載せます。
八問  「文学少女と廃園の天使」を執筆、会誌に載せます。
九問  「たった九百人の冴えたお祖母さん」を執筆、会誌に載せます。

(勝利ゾーン・ご褒美)
十問以上  ●●(SF作家)×◆◆(同)をテーマとした短編(全年齢対象)を会誌に載せます。
全問正解  頑張った自分へのご褒美に、山尾悠子作品集成を買います。


いよいよ明日審判が下される。

 テレビの前の貴方も、夜明けとともに最寄りの書店で『年刊日本SF傑作選 超弦領域』を確保し、固唾をのんで挑戦者の運命を見届けるべし。

posted by 狂乱 at 06:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月16日

Workbook 電子篇(後編)これが年刊日本SF傑作選2008だ!

まずは言いわけから。

長いんですよ。文芸作品って。

藤野可織「溶けない」(『文學界』2008年2月号)も、青木淳悟「このあいだ東京でね」(『新潮』2008年9月号)も、間宮緑「実験動物」(『新潮』2008年8月)も日和聡子「ヤンヌ・レーセン」(『すばる』2008年5月号)も三崎亜記「図書館」(『小説すばる』2008年10月号)も!

明らかに年間傑作選に入れるのは無理なくらい長い。

昨年の中原昌也と福永信のことをかんがみれば、一編であまり長いものは取られないはず。……と思って探せど探せど、「文芸系の作家で」「SFを感じさせ」「短い」この条件を満たすものがない!だからこそ下書き段階では舞城の掌編が入っていたりしたのですが。
やっとのことでどうにか

「青木淳悟」「川上未映子」

この二人が今年は入る、そう絞りきって予測したものの……
ともあれ、作品ラインナップから。


@飛浩隆 「はるかな響き Ein leiser Tone」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

A小林泰三 「時空争奪」(早川書房Jコレクション『天体の回転について』)

Bタタツシンイチ 「奴等」(光文社『異形コレクション 未来妖怪』)

C藤田雅矢 「ブルームーン」(THE BIG ISSUE JAPAN103号)

D円城塔「後藤さんのこと」(『ex-po』vol1〜vol6)

E川上未映子「戦争花嫁」(『早稲田文学』 1)

F法月綸太郎「ノックス・マシン」(野性時代2008年5月号)

G谷甲州「産医、無医村区に向う」(『SF Japan』2008 SUMMER)

H野尻抱介「南極点のピアピア動画」(『SFマガジン』2008年4、5月号)

I川上弘美「にわとり地獄」「事務室」 (『モンキービジネス』「このあたりの人たち」♯1、♯2)

J青木淳悟「夜の目撃談」(『早稲田文学』 2)

K伊藤計劃 「From the Nothing, with Love」(『SFマガジン』2008年4月号)

L吉川良太郎 「吸血花」(『SF Japan』2008 WINTER)

M瀬名秀明 「鶫(つぐみ)と(ひばり)」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

N小川一水 「青い星まで飛んでいけ」(『SFマガジン』2008年7月号)


恒例となったセリフだが、これは「ぼくの選んだ今年のベスト」のようなものではない。谷崎由衣や平山瑞穂や樺山三英が入っていないのがその証拠。あくまで編者二人が何を入れてくるかの予想ゲームである。


たとえば原体験の共有がなくピンとこなかった「奴等」はマイベストには入れないだろうし、逆にマイベストを編むなら長さや品位を気にせず、平坂読「滅亡惑星調査記録$#801*43号(日本語翻訳版)〜創聖の新世紀セーラー服リリカル機動魔法勇者戦艦ガンダゲリオンF〜」を入れるところだ。

ともあれ、各作品の選出理由については「続きを読む」からどうぞ。読むときに興を削いではいけないので作品内容のネタバレは控えた。

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posted by 狂乱 at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月09日

Workbook 電子篇(中編)これが年刊日本SF傑作選2008だ!(仮)

 この企画では、焦らしに焦らした末、年刊傑作選2巻の発売直前になってようやく、自分の予想を発表するつもりだったのだが、そうも行かなくなった。1月16日に三省堂で行われる、『虚構機関 年刊日本SF傑作選』発売記念トークショーにおいて、次巻収録作の何本かが発表される(らしい)からだ。ぐずぐずしているとゲームが成立しなくなる。

 そのため、予定を前倒しして、収録作予想の素案をいまこの時点で発表してしまうことにした。以下がそのラインナップである。


飛浩隆 「はるかな響き Ein leiser Tone」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

小林泰三 「時空争奪」(早川書房Jコレクション『天体の回転について』)

円城塔 「烏有此譚」(『群像』2008年5月号)

舞城王太郎 「名探偵巴里屋超丸の二〇〇八年七月」(『波』2008年8月号)

藤田雅矢 「ブルームーン」(THE BIG ISSUE JAPAN103号)

伊藤計劃 「From the Nothing, with Love」(『SFマガジン』2008年4月号)

タタツシンイチ 「奴等」(光文社『異形コレクション 未来妖怪』)

小野不由美 「丕緒の鳥」(新潮社『yomyom』6号)

谷甲州 「産医、無医村区に向う」(『SF Japan』2008 SUMMER)

野尻抱介 「南極点のピアピア動画」(『SFマガジン』2008年4、5月号)

杉本蓮 「ユニット・プランタ」(徳間書店『SF Japan』2008 SUMMER)

井村恭一 「フル母」(『文學界』2008年5月号)

中村文則 「三つのボール」(『新潮』2008年8月号)

吉川良太郎 「吸血花」(徳間書店『SF Japan』2008 WINTER)

瀬名秀明 「鶫(つぐみ)と(ひばり)」(NTT出版『サイエンス・イマジネーション』)

小川一水 「青い星まで飛んでいけ」(『SFマガジン』2008年7月号)


 これはまだ最終案ではない。予想の決定版は、件のトークショーの直前に発表するつもりだ。
「どうしてこの作品が入っているのか」「どうしてこの作品が入っていないのか」という疑問もおありだろうが、最終決定時には、選定の理由について一作ずつ述べていく。

 誤解のないよう言を重ねておくが、これは「ぼくの選んだ年刊傑作選」的なものではない。編者ふたりによってどのような作品が選ばれるかを全力で当てにかかったものである。
 したがって、自分の好みの作品が入っていなかったり、その逆に、自分があまり好きではない作品が入っていたりする。なお、今年の鍵になるのは「クラーク追悼」です。

 最終案確定にまだ時間がかかるのは、サイエンス・イマジネーション関連の予想がめちゃくちゃ難しいのもあるが、主に、文芸勢の予想がまだなおざりなため。正直、中村文則は、編者が高評価する作家ではないので入る可能性は薄いと思っている。青木淳悟「TOKYO SMART DRIVER」を入れるべきなのかなあ。川上未映子とか西村賢太とか田中慎弥とか調べなければいけないが時間がない。あと真藤順丈の「アップデート狂」って時期的に2008年扱いなんだろうか? それから、雑誌自体の存在からして重要な『モンキービジネス』『早稲田文学』から作品が入る可能性とかも考慮すると

……果たして間に合うのか!? 乞うご期待。
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2008年12月24日

短編「メンヘルのチェスプレイヤー」

 こんにちは。workbook電子編、編集アンド執筆担当の狂乱です。年刊SF傑作選にあやかると決まったからには、一月に発売されるという日本SF全集にもあやかるのは必然の流れでしょう。というか、こっちの企画が先にあったんですが、日本SF全集の発売が延期に延期を重ねているため前後してしまったのです。
 日本SF全集のラインナップ発表以降、何度となく収録作のタイトルを頭の中でこねくり回し続けてきた私は、そろそろ全収録タイトルを暗唱できそうです。
 というわけで、一番タイトル改変がうまくいった
「メンヘルのチェスプレイヤー」をどうぞ。原作は影も形も残していません。
 クリスマスにぴったりの恋愛小説です。
 嘘です。
 一応言っときます。長いです。短編としてはすげー長いです。
 「こんなに長い素人の駄編読む時間があったら年刊傑作選読んでるよ」
 正論です。
 でも、これだけは声高に保証しましょう。
 後半では、タイトルどおり……メンヘルのチェスプレイヤーが登場します。
 タイトルを思いついた時、「なぜメンヘルがチェスをしなければならないのか」と、その一点のみを軸にストーリーを真剣に考えた末の答えがこれです。
 御用とお急ぎでなければお読みください。

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2008年12月23日

Workbook 電子篇(前編)年刊日本SF傑作選2008を予想せよ

 現実逃避エンジンに火がつく年の瀬、みなさまいかがお過ごしでしょうか。わたしの場合は、どうしても会誌を売りたいと駄々をこね(注・冬コミで京大SF研のブースはありません)、「そんなに本が出したいんだったら、どうぞお一人でやってください」と後輩から冷静に諭されました。まあそれは体力的に不可能なので、紙媒体から拠点をうつし、今回、SF研ブログを占拠して電子的会誌活動にいそしみます。

今回の企画は、題して、

発表! 年刊日本SF傑作選2008

です。
読み間違えではありません。2007ではなく2008です。「虚構機関」発売というお祭り騒ぎに乗じ、おそれ多くも

次の年刊SF傑作選の中身を予測しよう

 という個人企画です。ここで注意していただきたいのは、これが「ぼくの考えた今年のベストSF」的なものではなく、「虚構機関」から編者の選考基準を読み取って、来年春に発売される(予定の)今年の傑作選をガチで当てにいく、というものだということです。

今回はマンガを除いて、小説のみのチャレンジとなります。こういう予想にはゲーム性があったほうが、当てることに真剣になれるというもの。そこで以下のように、正解数ごとに罰ゲームもしくはご褒美を設定しました。

(敗北ゾーン・罰ゲーム)
零問正解  修行し直します。長編SFを翻訳します。
一問 目をキラキラさせながら、女の子に「夏への扉」をプレゼントします。
二問 目をキラキラさせながら、自分の作品で短編集を編んでコミケで売ります。
三問 目をキラキラさせながら、出身高校の図書館にSFを大量寄付します。
四問 目をキラキラさせながら、「ゼロ年代」をテーマに評論を書きます。

(引き分けゾーン・半罰ゲーム)
五問  「美亜へ贈る淫獣」のタイトルで短編を執筆、会誌に載せます。
六問  「反逆者の月がのぼる空」を執筆、会誌に載せます。
七問  「超人類カウルは衰退しました」を執筆、会誌に載せます。
八問  「文学少女と廃園の天使」を執筆、会誌に載せます。
九問  「たった九百人の冴えたお祖母さん」を執筆、会誌に載せます。

(勝利ゾーン・ご褒美)
十問以上  ●●(SF作家)×◆◆(同)をテーマとした短編(全年齢対象)を会誌に載せます。
全問正解  頑張った自分へのご褒美に、山尾悠子作品集成を買います。

※特別ルール
年刊傑作選に「二重写し」が入った場合、罰ゲームの履行者はこの私ではなく「二重写し」の作者となります。たった今思いついて本人の許可なく勝手に決めました。

 さて、いよいよ、予想の戦略を立ててみよう! というところで、次回へ続きます。


posted by 狂乱 at 05:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑多 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする