2008年04月30日

4月29日読書会「Gernsback Intersection」

 祝日ですが読書会でした。日程決定後しばらくのあいだ、会員の誰ひとりとして祝日だと気付かなかったボンクラぶり。授業もないから新入生だって学校に来てないだろうに。
 最終的に集まったのは現役6人に新入生6人の合計12人。うち、初めて来てくださった方が2人。祝日開催で、他のサークルの活動と被らなかったのが功を奏したのだろうか、と思わずにはいられない。

 今回のお題は円城塔『Boy's Surface』所収の「Gernsback Intersection」
 担当はふな。なお、レジュメはこちら

 ガーンズバック連続体とアインシュタイン交点、ターンする時間線、物語的時系列、各章前に配置されたブロックの意味、決定論と非決定論、♀と♂が位置する時点、花嫁の比喩するもの、子供とは何か、etc..と話があちこちに飛びつつも、全体をまとめ得る最大公約数的な解釈は出て来ない。いざとなったら「作者本人に聞けばいいよ」という楽観主義の悪弊か。
 中でも訳が分からないとされたのがニーモニック隊の戦闘。隠された意味はあるや否や。
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posted by トマ村 at 14:12| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月26日

4月25日読書会「ドグラ・マグラ」

参加者七人、うち新人二人。
現実と記憶と幻視が混乱し渦を巻くストーリーを、まず幻視=記憶と仮定して時間軸の確認。こういう枠組みからとっかかるのはSF者のサガなのか。一度しかありえない10月19日の事件を取っ掛かりに、シーンごとの反復可能性を整理していく。読者の時間間隔を狂わせるほど長い「遺書」によって二つの時点が接続されているのでは、という読みも登場。全てが少なくとも一度はおこってしまったことの記憶ならば、そういうこともありうるだろう。なんとなく見通しがたってきたかもしれない。
最後にちゃぶだいをひっくり返すような「胎児の夢」も、主人公の「子」だとするなら作中の理論には合致する。ここで一部会員のヤンデレ趣味が暴走し、狂人でも子供はできるよ!と発言。このときは、主人公の人格として自分の正気が不確かなままではヤらないだろう、と押しとどめる。
ここで問題は序盤に若林が主人公に見せる「ドグラ・マグラ」の扱いで、これを主人公が書けたとするなら、そしてその内容が=ストーリーならば、主人公は一度は(少なくとも自己の認識として)正気だったのではないだろうか。ここで一部会員のヤンデレ趣味及び闇ハッピーエンド趣味が炸裂し、ムリヤリに納得する。
つまり整理するとこう

1:記憶喪失の発作+治療。遺書を読む。
2:正木との面談(一回限り)
3:記憶喪失の発作+治療
4:正気に戻る。1〜3を「ドグラ・マグラ」として記録。
5:再び発作+治療。「ドグラ・マグラ」を目撃。遺書を読む。
6:正気に戻る。モヨ子と結婚。
【胎児の夢】父親の記憶5、2、3を認識する。⇒『ドグラ・マグラ』

一応作中に登場する理屈だけで説明できたと思う。ただちゃんとメモとってなかったので、このまとめが間違っているかもしれない。
他にも、巻頭歌の「母親の心」とはなんのことか、という意見。千世子殺人事件がちゃんとミステリーしている、という意見。科学理論を積み重ねて最後がアレというのはアンチ何かなのかも、という意見。呉一族生き残りすぎ、物持ちよすぎ、という意見。京極っぽい、イーガンっぽいという意見。十分盛り上がった読書会になったと思う。
posted by 魚 at 15:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月21日

4月18日読書会「海を失った男」

 この日の出席者は、現会員側が村上、魚、ふな、S藤、狂乱、里々、S田の七人、見学の方が四名でした。

 内容はシオドア・スタージョン「海を失った男」読書会。
入り組んだ構成と変則的な語り、随所に配置されたメタファーなど、あらゆる要素が物語に奉仕する、SF史に残る傑作。
 英文学における二人称語りの扱いや、「海」が象徴するものは本当に一義的でよいのかという疑問、「怪物」の表すもの、最後の一言に込められた主人公と作者の意図、など、論ずべき点は次から次へと立ち現われても、思うように解答は出せず。各人がそれぞれに結論ないしは疑問点を提出するというまとめ方になってしまいました。

 読書会終了後は、前回の失敗を踏まえてきちんと新歓モードに。移動先の定食屋でも、会員同士で勝手に盛り上がらないようにしたはずです。(たぶん。)
 見学生のうち二名を引き連れて会長の家へ。その中でも、狂乱と同郷の一回生の方は、会誌作成会議(という名目の雑談)にも参加。すでにSF研に溶け込むほどの勢いで、実に心強いものです。

 まだまだ新入生勧誘は始まったばかり、努力すべき点も多々あると思うので、現役会員の皆さんは、もっと頑張ってください。せっかく見学に来てくれても、なかなか定着してくれる人がいないのは、ひとえに新歓能力の低さゆえです。久々の出席となったS田さんの新歓スキルが、他の会員よりも遙かに優れていたのが印象的でした。

 それと、(この日はそうでもなかったけれど)ずっと書きたかったこと。非新入生の某動画信者たちは、新歓期くらい慎め。いい加減にしろ。普通に読書家の新入生たちを置き去りにしてどうする。ここは読書サークルだ。

 さて、次の例会は22日(火)、読書会は25日(金)で夢野久作『ドグラ・マグラ』。SF・幻想小説に興味のある方は、新入生、上回生問わずどしどしご参加ください。会員一同心よりお待ちしております。
posted by 狂乱 at 01:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月06日

11月2日『鏡のなかの鏡』読書会

今回の参加者は僕、魚、曽根さん、Sくん、とばさん、村上さん、里々くんの会員7人に加え、KくんとSくんの二人が参加してくれました。ってSくん被った!
この日の読書会対象本はミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡』。曽根さんの司会で。
まるで夢のような不条理劇の連作短編ということで、各短編ごとのモチーフは、意味は、といった話題がメインでした。解釈が比較的容易と思われる話。まったくどう解釈すればいいのか分からない話。そういった区分けや、後半のモチーフが多く見られる部分の解釈は特に難しいなどといった話。読書会の中ではかなり珍しい部類に入るまじめな読書会でした。これがまじめさの最高点っていうくらい。曽根さんがきっちり締めて終わったような気がしますが、詳細は忘れた。

読書会を終えて、京フェスの打ち上げ飲み会へ。行った店がえらい安くて戸惑う。こっちはさらに何の話をしてたか覚えていないのだけど、見学に来てくれたほうのSくんにニコ厨の人たちが色々と懇切丁寧な説明をしていたのは覚えている。何の話をしてやがる! その後、見学に来てくれた二人が帰ったところで、就職したKoswさんが合流。いろいろと話した気がするけど、何を話したのかまったく覚えてない。誰かフォローよろしく。

二次会は徹夜でカラオケ。ニコニコ組曲メドレーをやったり、青春っぽい唄を叫んだりといいテンションだった最初はともかく、時間が経つにつれ衰弱する一行。四時すぎとか死んでた。煮詰まった部屋はひどいことになるのを証明するような光景。二部屋に分かれていたところ、片方の部屋ではドクロちゃんが六週していたらしい。恐るべきぴぴる空間。びたいちもうSFと関係ねえな。



ここ最近更新がとまっていたので、復旧していきたいところ。あ、『ニューロマンサー』の読書会は担当者のあまりのぐだぐだぶりに黒歴史ということにします。してください。お願いします。あれはなかったことに。
posted by KUSFA at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月20日

10月19日『タイタンの妖女』読書会

 この日の例会、参加者は魚くん、ふなくん、S君、狂乱君他多数、里々くん、そして私村上の6名。読書会の担当は魚くんでした。


 三々五々例会場所に集まる我々。会計処理や伝達事項を済ませたあとで、本来の目的である新入生の来室を待つ。秋新歓第一弾ということで、先週末からビラ貼ったり配ったりして地味〜なアピールを続けていた次第。が、結局のところ新入生来訪率ゼロで例会もとい読書会を始めることに。

 今回の課題本はカート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』
 議題にあがったのは本作の命題。登場人物に課せられた艱難辛苦、宗教にまつわる数多くの明喩暗喩をみるに、神の有無や人生の目的といったテーマが浮かび上がってくる。人間が生きることについての意味にも絡んで、ヴォネッガットの評判にあるように非常にシニカルなお話でした。
 大富豪のもつ意味や罪と救済といった側面にも話題は及んだものの、SF研的に言及のニガテな文学的な作品でした。

 夕食は○二食堂。だいたいいつものように丸二定食とフライ盛定食の支配する食卓でした。


 その後魚くんの家になだれ込み、もらいもののケーキを皆でつつき京フェスで残ったワインを飲む。非常にダラけた雰囲気の中、魚邸所蔵の小説や漫画を好き勝手読み、ネタにして語る我々。
 書こうと思えば書けることは色々あるんですが、もはや例会とは関係がなくなっているので、このあたりで〆。


 ちなみに3:10現在、まだダベっています。
posted by トマ村 at 03:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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