2010年04月30日

4月27日読書会「忙殺」

神林長平「忙殺」読書会を行いました。
今週は普段と異なり火曜日に読書会が行われましたが、それにもかかわらず現会員七名に加え見学の方が五名もいらっしゃったため、大盛況と相成りました。読書会およびブログ更新担当は二回生の陸(BCB)です。

この作品は神林の作品の中でも初期の短編なので、参加者からも「アイデアが古い」「もうラプラスでもないだろう」などの意見が出ていましたが、そうしたテーマも神林の特徴である軽快な文体の中に織り込まれているため陳腐になってはいません。

今回はこの作品から
「『じぶん』の存在について(表面意識、潜在意識、超脱自我)」や
「未来予測について(そもそも可能か、また何故か)」、
「忙しさのエントロピー的増大とは」といった論題に概ね沿う形で読書会を進めさせていただきました。
参加者の方々からの活発な意見発表にも助けられ、一読しただけでは難解なストーリーの理解、またそのアイデアについてより深く掘り下げることが出来たと思われます。

担当者は今回が初めての読書会でしたが、皆様のご協力のおかげで何とか滞りなく読書会を進めることが出来ました。この場をお借りして感謝申し上げます。
posted by 栗山 陸 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月15日

4月9日読書会「ボーダー・ガード」

グレッグ・イーガン「ボーダー・ガード」読書会。

参加者は現役会員が八名で、見学の方が四名いらっしゃいました。今年度初の例会兼読書会にしてはなかなかの盛況ぶり。読書会担当及び更新担当は空でした。

イーガン作品のなかでも、特にハードSF方向に突き抜けている異色短編。それもあって、昨年までの読書会では、基本的にストーリーラインに重点を置きつつ、適宜論点をあげてそれについて議論を進めていくという形態で読書会が進められていましたが、今回は少し色を変えて、理系的な見地から、短編の大部分を支える架空スポーツ『量子サッカー』とはどのような競技なのかについての理解が参加者全員に得られるように重点的に解説を行う、という新しい試みがなされながら読書会が進められていきました。残念ながら全ての進行予定がうまくいったというわけにはいきませんでしたが、「量子サッカーって、読んだときはいまいちよくわからなかったけど、やっと理解できたよ」という意見もいただけたので、概ね成功したといってよいのではないでしょうか。
普段のそれとはかなり毛色の違う読書会となったので、いつもの読書会が見てみたいという方は、また別の読書会にいらしていただければと。

読書会後は見学の方が三人帰られ、残った人たちで二組に食事へ。しかる後に解散の運びとなりました。
posted by 空 at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月16日

SF講座開催のお知らせ

京フェスの準備などで忙しくしておりますが、夏期休暇中ということもあり通常活動の方がだれがちです。そこで今回突然ではありますが、いつもの読書会とは趣向を変えて、SF史概論+読書ガイド的なゼミを行うことになりました。

担当者曰く、「英米SFの歩みを紹介し、それを踏まえた読書ガイドを行います(短編集中心)」とのこと。

日時は9月18日(金)の18時半から。場所は4共33です。

ゼミとはいってもそんなに形式ばったものではありません。いつもの読書会などと同じく、担当者の用意したレジュメを肴にだらだら話をするだけの敷居の低い集まりですので、会員以外の参加希望者などいらっしゃいましたら是非お気軽にお越し下さい。
posted by KUSFA at 03:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月29日

4月28日読書会『ハーモニー』

新歓読書会も四回目となりました。今回は伊藤計劃先生の『ハーモニー』。本日の参加者は現役会員はふな、魚、里々、トマ村、水兎、空、S(百寅)の六人。見学にはおおむねリピーターの方で、三人の方が参加してくださりました。
読書会の内容に入る前に少し余談ですが。新歓ラインナップとして早いうちから『ハーモニー』はあがっていたのですが、先ほど伊藤計劃先生が急逝されたことで、追悼読書会としての側面もありました。ノベライズを除くとまだ長編二作目ということで、この『ハーモニー』は作家としての先が、心から楽しみにできるような作品だったと思います。謹んで哀悼の意を表します。

さて、今回の読書会では作品のアイデアの根幹をなしていると思われるフーコーの「生政治」と人間の報酬系についての議論が活発でした。それ以外にも多くの議題があり、予定の八時を越え、九時近くまで読書会は行われました。
以下、今回の議論内容をメモ程度に。

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posted by ふな at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月25日

4月24日読書会『1984年』

本日はジョージ・オーウェル『1984年』読書会。現役会員からの参加者はトマ村、魚、ふな、蕎麦、里々、空の六人。他にもSFファンダム繋がりでお世話になっているhikaさんや、さらに初見の方とリピーターの方を合わせて四人の方が見学に来て下さいました。

新歓の日程もちょうど半分に入ったということで、前半の山場ともいえる読書会。担当者の蕎麦さんの作製されたレジュメをもとに、いつも以上に活発な議論が交わされました。以下、話された内容についてのメモ。

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posted by 里々 at 03:29| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする