2010年06月22日

6月22日『ザ・ロード』読書会

参加者は会員が7人でした。外に告知しているものではないですし、平常営業という感じですね。担当及び更新はふなです。

話題はポスト・ホロコーストものの説明からはじまり、特徴的な文体、作中の親子関係について話を進めました。物語的な起伏のなさ、世界観の先のなさが作品に対する見方の焦点となりました。結局、何を描いていたのか。単純に親子愛だけではないのでは、という点が語れたので担当者的には満足です。参加者の感想では盛り上がらない点と世界観の重さが好き嫌いをわけたようでした。バラードのような話だから好きかと思ったらあわなかったという感想があり、バラードとの比較はあまり語れなかったですが、面白そうです。あと食事がうまさそうだ、という意見がありました。

その後、食事して会員の家へ。今後の企画準備やサークル内の一部でにわかにブームの百読などの読書リストについての話などをしました。

次回は二週間後の7月6日に「ババ・ホ・テップ」(プレスリーVSミイラ男)です。
posted by ふな at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月25日

4月23日『クォンタム・ファミリーズ』読書会

更新が大幅に遅れてしまい、申し訳ないです。担当は法猫です。

東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』の読書会。
現役生の他、初回の方が二名と同志社のSF研から一名とリピーターの方一名が見学に来てくださいました。

会員の中ではあまり評判が良くなく、厳しい意見が多かったです。

論点・意見は大体以下の通り。

・文体について
・前半は平行世界ものとして話を進めているのに後半はタイムパラドックスになっている
・『存在論的、郵便的』を読んでいると、それに沿ってしか読めない

時間内に議論が終わらず、食事会の後、会員の家で軽く延長戦。

・村上春樹、麻枝准との関係性など

今回はじめての読書会担当で至らぬ点が多く、反省中です。

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posted by 法猫 at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月22日

5月21日「ヴァインランド」読書会

新入生1人、ゲストのかた2人、会員9人の参加でした。読書会担当、ブログ更新担当は小末期です。
来月から出る新潮のピンチョン全小説のチラシでひとしきり盛り上がったあと読書会に移行。当時のヒッピー文化の由来、時代背景、オーウェル「1984」との差異と相似点、テレビの捉え方、小説技巧や人物の描き方、佐藤先生は翻訳が上手い、日本の扱われ方、日本でヴァインランドのような作品を書くにはどのようにすればよいか、海外で忍者は人気すぎるのではないか、そんなことより重力の虹が面白い、メイスン&ディクスンが良さそうだ、と思い思いの意見が飛び交うなか「この作品はいくらでも暗くなるテーマを扱ってるのにやたらポップでキュートだ」との共通認識に達するなど。そしてどうしてこれがポップでキュートなのかについてまた喧々諤々。 終了後みんなでモダン焼きを食べました。今後の読書会の予定を話し合いながらたべるデラックスサイズの巨大モダン焼きはたいへんおいしかったです。あと、シーフードモダン焼きを注文したら上にシシャモが鎮座していたのがシュールでした。シーフードて。

個人的な感想としては「一目でわかる!ヴァインランド人物相関表」を時系列に沿った形式で作りたかったのですがゼミやらが忙しくそれができなかったのが若干心残りです。ヘクタ←(なかよし)→ゾイドとか書きたかった。

約2ヶ月にわたった新歓もこれで終了です、お疲れさまでした。さあみんな積読を崩す作業に戻るんだ。

posted by 小末期 at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月15日

5月14日「七十二文字」読書会

新歓も五月に突入しメンバーも固りつつある中、テッド・チャン「七十二文字」読書会を行いました。ブログおよび読書会担当者はMAKKIです。
テッド・チャンは寡作である反面、構成を相当練り込んでくる人です。そしてこの作品も多分に漏れず、様々な要素を上手く組み合わせています。
錬金術の発達した世界観に前成説を前提にした生物学を落とし込み、そこに命名学を加えることで遺伝子操作的な要素とプログラミング的な側面をプラスし、さらにはそこから生じてくる社会問題を提示するなど色々考えさせられる作品でした。
社会問題の提示に終わってその解決にまで踏み込めない部分が少しあったのが個人的には気になりましたが、一番面白かったのが、この作品において「進化」という単語が一度も出てこなかったこと。十九世紀のイギリスが舞台ですが、元々存在する生物のひな形が大きくなるという前成説的な考えだと進化もありえないという事になるんですよね。
また、錬金術が科学に組み込まれていることで科学と神学・宗教との区分が気になるところでしたが、それも「人を(名辞によって)一から生み出す(=神学の領域)のではなく複製する(=科学の領域)にとどまる」という帰結に終わるなど、その辺りの設定の組み込み方も巧みで読書会の題材としても非常に楽しいものとなりました。
posted by KUSFA at 02:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月30日

4月16日「幸せになる箱庭」

小川一水「老ヴォールの惑星」収録「幸せになる箱庭」読書会。更新が遅くなりましたが、新歓読書会二回目です。読書会担当及び更新担当はやま。現会員に加えて見学の方もいらっしゃり、嬉しい限り。

小川一水作品の中では比較的残念な出来栄えの本作。仮想世界ものとしても前回読書会の「ボーダー・ガード」に劣るなど、厳しめの意見が出た読書会でした。

論点としては、
・仮想世界内で人間同士の繋がりをもたせる意味はあるのか
・クインビーの意図
・状況に反して爽やかなオチの描かれ方
・バッドエンドかグッドエンドか
・主人公カップルが十代である必要性
・エリカ様黒幕説
など。

終了後はいつも通り夕食→解散の流れになりました。
posted by やま at 01:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする