2007年06月17日

プレステージ

さて、せっかくはじめたのに更新しないのもあれなのでやりましょう。今日は「プレステージ」。いきなり「一冊」じゃありませんが、細かいことは気にしないでいきましょう。僕は自分のブログの更新で忙しい。
原作はクリストファー・プリーストの『奇術師』。原作未読ですんで、詳しいことは知りませんが、いっしょに見に行った魚くんいわく、結構うまく映画化しているそうです。
二人の手品師が運命と因縁によって、いがみあっていく話。この主役である二人を演じるのはヒュー・ジャックマン(『X-MEN』のウルヴァリン役なんかが有名)とクリスチャン・ベール(『リベリオン』主演)。(何を代表作としたかで、レビュー書いている人の趣味は類推してください)。迫真の演技でお互いに恨みを募らせていく様がぐいぐいと話をひっぱっていきます。妻の恨み、女の恨み、マジックの技への妬み、そういったものが混ざり合い、複雑になっていく二人の関係とともに、二人のマジックはどんどんと難しく犠牲を強いるものへと発展していき、恐るべきラストへとなだれこみます。
二人の激しい生き様は共感を呼び起こすようなことはないもののひきつけられるものがあり、演技やセット・衣装のつくりなど見るべきところも多く面白いです。まさにニコラ・テスラとしか言いようがないデヴィッド・ボウイなど配役もいい感じではないでしょうか。
けど、あのオチには驚くしかないんですが。「プラチナ・ファンタジイ」叢書で原作が出ていることを忘れてはいけないのです。そう、これはファンタジーです。ミステリではない。いくらこのミスで上位をとろうと。あ、僕のミステリ感としては本格以外はミステリではないとは言いませんが、わりとそれに近い。
面白かったには面白かったけれど、手品が意外としょぼかったのにはがっくりした。ニコラ・テスラのマシーンはすごいものの、瞬間移動や弾丸つかみはタネが割れてしまえば寂しいものです(とは作中でも言われるのだけれど)。またお互いに手品を妨害しあうせいでまともに手品してない気がするのも問題かと。500ページ以上もある原作をカット処理によってうまく編集し、うまく見せているだけになんとなく物足りないところです。とはいえ、原作でいうなれば唐突だったところは丁寧に複線がはってあり、だいぶ親切になっているらしいし、冒頭のシルクハットが大量に並んでいるところとか、奇術師たちの舞台裏でのセットの準備だとか見るべきシーン、絵になるシーンは数多くあり、飽きません。2時間もあるのに楽しく見れるしね。
さて、どっちらけになってきたところで感想終わり。映画の感想なんてうまく書けねえよ! と叫びつつ次誰かよろしく。
posted by KUSFA at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 今日の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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