第一回新入生説明会 4/10(火) 於・4共32
第二回新入生説明会 4/13(金) 於・4共40
第三回新入生説明会 5/1(火) 於・4共32
2012年度新歓期の読書会の日程が決まりました。
第一回 4/17(火) 於・4共32 伊藤計劃「From the Nothing, With Love」 (ハヤカワ文庫『The Indifference Engine』、『伊藤計劃記録』、創元SF文庫『超弦領域』所収)
「例えるなら私は書物だ。いまこうして生起しつつあるテクストだ」――オリジナルの意識を別の身体へ転写し続けることで、イギリスの諜報員として生き続ける「私」はある日、その後継者が次々と殺されているという情報を受ける。早速その調査に乗り出した「私」は、その結末として己の実存について身の毛のよだつ真実を知ってしまうのだった。
単なる007シリーズのパロディに留まらない「声」を持つ、中編SFの傑作。
第二回 4/27(金) 於・4共32 アイザック・アシモフ『われはロボット』(ハヤカワ文庫)
「ロボット三原則」をこの世に初めて送り出した、アシモフのロボットものの短編集第一作。この短編集でははじめは単純な労働者としてのロボット達が最終的には人類を導くまでに至る道筋が、老心理学者によって語られる。各話はまずロボットがハプニングを起こし、「なぜロボットがそんなことをしたのか」を推理するミステリー仕立て。単純に謎解きとして面白く、それでいて「ロボット」という概念そのものの歴史に残る作品。
第三回 5/8 (火) 於・4共32 グレッグ・イーガン 「しあわせの理由」(ハヤカワ文庫『しあわせの理由』所収)
十二歳の少年の脳に腫瘍が発見された。手術をしても十年の間に死ぬ可能性は三分の一。しかし彼はしあわせだった。うきうきして、こわいもの知らずで、勇気凛々あふれんばかりだった――技術はどこまで人を変えうるか。“自分”とはいったい何なのか。細部に渡る状況の描写と、丁寧な心情の追跡が生み出した、現代最高峰のSF短篇。
第四回 5/18(金) 於・4共32 青木淳悟「四十日と四十夜のメルヘン」(新潮文庫版『四十日と四十夜のメルヘン』所収)
チラシを配る「わたし」と文芸創作教室に出席する「わたし」、四日間の日記を書き続ける「わたし」とチラシの裏にメルヘンを書く「わたし」──全篇は一人称で語られるが、それらの「わたし」が同じ人物であるとは言い切れない。記述は相互に矛盾し、世界は全体像を結ぶこともないまま情報の断片に解体されていく。作品として破綻することによってかえって精彩を放つ不思議な小説。
※この作品は『新潮』誌上に掲載されたものと単行本版、新潮文庫版とで併せて3つのバージョンが存在しますが、それぞれ内容が大きく異なりますのでご注意ください。読書会では新潮文庫版のものを扱います。
第五回 5/22(火) 於・4共32 円城塔「道化師の蝶」(講談社『道化師の蝶』、『文藝春秋2012 年3 月号』、『群像2011 年7 月号』所収)
乞うご期待