2018年12月02日

2018冬コミ(C95)情報

当サークルは今年度も冬コミに出店します。

スペースは


3日目(12/31 月曜日)の東K-26b


サークル名は「京都大学SF・幻想文学研究会」です。会場では新刊「WORKBOOK111」および「中間子2018」に加え、既刊の販売も予定しています。以下、頒布物の紹介です。



○新刊 WORKBOOK 111

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今回は「京フェス2018特集となります。内容は以下の通りです。


・京フェスレポート

京フェス2018の内容をレポート。

そもそも「京フェス」とはどういったものかという紹介から、今年度の各本会企画の内容まで、京フェスを知らない方にも楽しめる内容となっています。

こちらはブログにて先行公開していますので、是非お読みください。(京フェス2018レポート - 京大SF・幻想文学研究会ブログ


・対談「電子書籍で何ができるか−−出版の新しい形を探る」書き起こし

京フェス2018本会で行われた、西崎憲・藤井太洋・大前粟生による対談を書き起こし。

電子書籍の持つ特異性や可能性、そしてより広くこれからの出版に関して、電子書籍の最前線をはしる三氏の貴重な対談を収録しています。


・登壇者最新作レビュー

藤井太洋・大前粟生・飛浩隆・酉島伝法・小川一水の最新作をレビュー。

レビュー対象作品は、

藤井太洋『おうむの夢と操り人形』/大前粟生『回転草』/飛浩隆『零號琴』/酉島伝法「彼」/小川一水『アリスマ王の愛した魔物』

となっています。


B5中綴じ・ページ数未定・価格未定

 ※ページ数・価格は決定次第お知らせさせていただきます。申し訳ございません。



○新刊 中間子 2018
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会員翻訳の海外未訳短編を掲載。

サイズ未定・ページ数未定・価格未定
 ※サイズ・ページ数・価格は決定次第お知らせさせていただきます。申し訳ございません。


○既刊 WORKBOOK 110 その他

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「バカミス・バカSF」特集号。会員によるバカミス・バカSFレビュー、および恒例の新入生レビューを掲載。


B5中綴じ・48ページ・300



その他の既刊も可能な限り持っていく予定です。

posted by KUSFA at 20:28| Comment(0) | INFO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

京都SFフェスティバル2018レポート


 10月6日に行われた京都SFフェスティバル2018のレポートをお送りする。
 台風の接近が危惧される中、何とか滑り込みセーフとでもいうべき状況で開催された今回の京フェス。本会企画では立ち見の参加者が出るほどの盛況で、例年以上に熱気に溢れた会となった。
 本記事がその熱を少しでも伝えられることができたならば、それ以上の喜びはない。


◯そもそも京フェスとは


 この記事で初めて京フェスについて知るという方向けに、まずは京フェスの簡単な紹介からレポートを始めたい。
 京都SFフェスティバルは、毎年10月頃に開催されるSFコンベンション(SFファンイベント)である。講演形式で昼に行われる「本会」と、付近の旅館で分科会形式で行われる「合宿(夜の部)」の2部で構成される。
 昼の「本会」では、著名な作家や翻訳者、編集者の方々に、講演形式で様々なテーマについてお話頂く。
 一方、夜に行われる「合宿(夜の部)」は、参加者とゲストの距離が昼の「本会」よりもかなり近い。ゲストや参加者といった境界が曖昧になって、渾然一体とした「SFファン」として、フラットな立場で密な会話が楽しめる。
 名称に「SF」を冠してはいるものの、扱われるテーマはSFだけに限らず、広く読書や海外文学、映画なども含む。もし興味のある企画があれば、気軽に足を運んで頂きたい。
 細かい参加費等については、京フェス公式サイトを参照願いたい。
 また、以下のブログ記事(京都SFフェスティバルに行こう - 井戸の底)が初心者向けのチュートリアルとしてよくまとまっているので、併せて参照すると良いだろう。


◯京フェス2018レポート

 以下、今年の京フェスで実際に行われた内容を手短に紹介する。
 既に参加者やゲストの方から詳細かつ秀逸なレポが多く書かれており、詳しい内容についてはそちらを参照頂けると幸いだ。
2018年京都SFフェスティバル 飛浩隆先生のレポートツイート かーらーのー 「創作踊り説」! - Togetter 
京フェス2018レポート
京都SFフェスティバル2018 極私的レポート - とつぜんブログ
京フェス2018レポート「電子書籍で何ができるか 出版のあたらしい形をさぐるJ: 更新日記

 また、”#kyofes2018”でTwitterを検索すると、参加者の方々によるTwitter上での実況ツイートを見ることができる。リアルタイムの驚きや熱を追体験したい方にはこちらもお勧めしたい。
#kyofes2018 - Twitter検索

 更に、今回はSFウェブマガジン「VG+ (Virtual Gorilla Plus)」様に取材記事を掲載頂いている。プロによる企画の様子の写真も掲載されているので、ぜひご一読頂きたい。
 ・“京都SFフェスティバル2018”開催 豪華出演者登場で立ち見も出る大盛況 | VG+

●本会1コマ目「電子書籍で何ができるか――出版のあたらしい形をさぐる」
ゲスト:藤井太洋、大前粟生、西崎憲

 本会1コマ目は、電子書籍インディーレーベル「惑星と口笛ブックス」を主宰し、作家・翻訳家・ミュージシャンと多彩な活動で知られる西崎憲氏、昨年「惑星と口笛ブックス」から『のけものどもの』を刊行した大前粟生氏、2012年に『Gene Mapper』を電子書籍によるセルフ・パブリッシングで発表しデビューした藤井太洋氏の御三方をゲストに迎え、電子書籍をテーマにお話を伺った。
 藤井氏が事前に用意したスライドを軸に、電子書籍の持つ可能性や現在の出版業界の置かれた状態、現状の電子書籍の問題点など、様々なトピックで白熱した議論が展開された。
「今の電子書籍は紙の模倣、つまり『ガラスの下の本』でしかなく、本を標本にしたようなものでしかない」「出版のワークフローも紙の本の形式から逃れられておらず、紙ありきのビジネスモデルのままだ」と現状の電子書籍の問題点を語る藤井氏に対し、電子書籍オリジナルのコンテンツが今後どれだけ出てくるかが勝負と語る西崎氏。具体的には、現在も刊行されているKindle Singlesなどの短編や、今まさに「惑星と口笛ブックス」から刊行中の北野勇作作品が良いモデルになるのではないか――と今後の展望についても話し合われたところで、たまたま来場していた北野勇作氏自身が客席からコメント。思わぬサプライズゲストに会場は大いに沸いた。
 また、この企画については、冬に発行する京大SF研の会誌『WORKBOOK』で詳細なレポート(企画の文字起こし)の掲載を予定している。興味のある方には、ぜひこちらもご一読頂きたい。


●本会2コマ目「日本語表現の最先端 とび×とり対談」
ゲスト:飛浩隆、酉島伝法

 昼休みを挟んで行われた本会2コマ目は、今年10月に新作長編『零號琴』を刊行した飛浩隆氏、現在自身初となる長編作品を執筆中の酉島伝法氏の二人を迎え、日本語の表現の限界に挑む両者の創作に対する姿勢や、実際の創作過程などをテーマにお話頂いた。
 企画の前半では、酉島氏が現在執筆中である新作長編にまつわる創作秘話を、飛氏が聞き手となる形で伺うことができた。造語の多い酉島作品を裏で支える自作用語集や、酉島氏自身による緻密なタッチで描かれた挿画など、貴重な資料が数多く紹介され、会場からは感嘆と笑いが絶えなかった。
 後半では飛作品の特徴とも言える映像的な文章について酉島氏から質問が投げかけられ、二人の作家の応答を通じて、飛作品の緻密で華麗なイメージを支える創作姿勢の一端が明かされた。
「自分ではいいかげんだと思っている」「自分の書くものが読者のイメージを喚起するに至る過程についてはよく分からない」と語る飛氏だが、「三段階くらいの比喩が全て重なることでイメージが見えてくる。結界を張るようにして構成された文章だ」と、飛作品の文体を分析する酉島氏。
 そして、「文章は”ダンス”のようなもの。文章を紡ぐことは身体的なプロセスを繋げること。ボールを投げる動作にしても、ただ手を回せばいいというものではなく、どう滑らかに繋げるかが重要」と自身の文章について滔々と表現してみせる飛氏の姿に、会場のあちこちで感嘆の声が洩れた。
 この発言の詳細については、飛先生自身が本会後にご自身のツイートでまとめて下さっている(こちら)。作家志望者に限らず、文章に関係する人間は全員必見のコメントだ。

●本会3コマ目 「〈天冥の標〉シリーズ完結記念 作家・小川一水の描いた軌跡」
ゲスト:小川一水、塩澤快浩、前島賢

 今年の京フェス本会企画の最後となる(*通年では4コマ行う)3コマ目は、2018年に完結予定のSFシリーズ〈天冥の標〉の作者である小川一水氏、現『SFマガジン』編集長で2009年から現在に至るまで〈天冥の標〉シリーズの編集を務める塩澤快浩氏、ライターの前島賢氏の3人を招き、小川氏のライフワークとでもいうべき壮大なSFサーガ〈天冥の標〉についてたっぷりとお話を伺った。
 デビューから現在に至るまでの小川一水作品の年表をスクリーンに映しながら、前島氏によるインタビュー形式で企画は始まった。
 開始早々、担当編集者である塩澤氏から「〈天冥の標〉シリーズはまだ完結していない(2018年12月に最終巻のパート1が刊行予定)。そのため今回の企画は、正しくは『完結祈念』」という指摘が入り、会場は大いに沸いた(小川氏は苦い表情)。
 その後、現在まさに最終巻のクライマックス付近を執筆中だという小川氏から、重い口ぶりではあるものの、塩澤氏との出会いから早川書房でのこれまでの刊行物、更には〈天冥の標〉シリーズの裏話などが語られ、会場の小川ファンからは多くのどよめきが起こっていた。
 企画の最後に、9年かけてシリーズを書き続けた感想として、「刊行速度の減速については良くないと思っている。だが、要素が多すぎて何を書いていいのか分からなくなって書けずにいる」と絞り出すようにして答える小川氏からは、己の全てを出し尽くした上で更なる高みを目指そうとする作家としての矜持やプライドが垣間見え、その読者に対して向き合う真摯な姿勢に、筆者は今日一番の感動を覚えた。シリーズの完結が待ち遠しく思えると同時に、今後の小川氏の活躍にも期待が膨らんだ。
◯合宿について
 本会終了後、夕方からは会場を旅館に移して、分科会形式の「合宿(夜の部)」が行われる。多くの企画が今年も催されたが、数の都合もあって全てを詳細にレポートすることはできない。

タイムテーブル.jpg

(合宿タイムテーブル - 京都SFフェスティバル2018プログラムブック より)

 だが、筆者が参加した企画はどれもゲストと参加者の垣根が低く、その分密な会話が楽しめるものだったことは記録しておきたい。
 特に、昼の本会3コマ目の延長戦として行われた「小川一水企画延長戦」では、熱心な〈天冥の標〉ファンと小川氏本人による質疑応答が交わされ、大変熱を帯びた企画となっていた。
 このような距離の近い対話は、昼の本会にはない楽しみだと言えるだろう。今後京フェスに参加される方は、合宿も含めての参加も一考してみてはいかがだろうか。
posted by KUSFA at 19:26| Comment(0) | 京フェス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする