2017年09月22日

第五回SF句会 告知

 お久しぶりの句会ロボ2号です。今年も来たる京フェス2017の合宿企画にてSF句会を開催いたしますので告知に参りました。
 SF句会もはや5回目ですよ。5周年記念ということで何か特別なことができたら面白いかな……と思ったのですが、巷で流行りの「庫内灯」さんに乗っかってBL句会でもするか〜みたいなことしか思いつかなかったので、いつも通りにしましょう。今年もいつも通りです。いいね?

 ☆これはどんなイベントですか?
 事前に募集するSF俳句を肴に、句会というものをしてみようという企画です。こちらの記事に詳しく書いてあります。
 http://blog.kusfa.jp/article/379060332.html
 大体こんな感じで、みんなSFだけではなくアニメ漫画映画BL百合など自分の好きなものになぞらえて句評をなさる感じです。4コマ目なのでみんなべろべろです。べろべろになったSFファンたちが持ち寄ってきた俳句をダシに萌え語りするイベントです。
 また、句会ってそもそもどういうものなのか、についてはこちらの記事に詳しいです。
 http://blog.kusfa.jp/article/374273302.html
 川柳ではなくより俳句らしいSF俳句を目指してみようという主旨がちょっぴりありますが、句会の進行を務める京大SF研会員は年に一回この企画の時だけ俳句を作る素人です。舐めてかかってきてください。参加方法は色々ありますが、飛び入り参加で句評をするだけというのもいいのよ! もちろん「俳句って知ってるけど実はよく分からない」「俳句はともかく句会って何それ?」というのは当たり前ですので、事前のフォローはさせていただきます。

 ☆俳句/句会の何が楽しいの?
 例えばあなたが突然17音の言葉で人を楽しませろと言われたとします。
 まあまずはたった17音で何ができるだろうという話になるでしょう。とりあえず、普通だったら17音になるような文を考えると思います。
 でも、そういう一意に固定された言葉をつくることは容易いけれど、一意に固定された言葉というものはそれ単体では概ねつまらないものです。
 きょうのごはんはペペロンチーノでした。
 こういう事になってしまいます。だから、もうちょっと嘘をつかなければいけない。
 きょうばあちゃんはペペロンチーノでした。
 これで、ばあちゃんのご飯の話なのか、それともばあちゃんがペペロンチーノなのか、という風にちょっと意味が揺らいできました。でももうちょっと嘘をつきたい。そしたらもっとイメージ喚起能力の高いことばを使おう。例えば季節感の強いもの。
 きょうばあちゃん春のパン祭りでした。
 いいんだか悪いんだかはさておいて、わけがわからない。もうちょっと面白くするために、「切れ字」となる言葉を足してリズムをよくしてみましょう。
 うぐいすやばあちゃん春のパン祭り
 まあ……面白くなったということにしましょう。

 俳句をざっくりと定義するとしたら、17音前後で構成された言葉です。
 何かを説明するには短すぎるものですし、説明できすぎてしまっているものは想像の余地がないから面白くないというのが今どきの考え方のひとつです。上に書いたような季語や五七五のリズムや切れといったルールは、いわば飛ばなくてもよいハードルのようなものだと思ってください。季語を読み込まない無季俳句や自由律俳句は昔からあるものですし、また字余り字足らず句またがりといった破調は珍しくないことです。
 だからまずは、言葉遣いが好きかどうかとか、妄想が膨らむかとか、あるいは萌えるとか苦しいとかびっくりしたみたいな感情が湧くかどうかとか……そういう感じで俳句を眺めてみてください。季語からあなたがイメージするものと、ほかの言葉との響き合いを味わってみてください。
 それが一番大事で、五七五やら切れのことなんてその後に考えればよいことです。こんなふうに考えてみてください――こんなにいい句なのに、音数まで守っている。切れすら入っている。あるいは、そういうものが入っていないことやリズムが乱れているということがあなたにとってどう感じられるかを、考えてみてください。
 あなたがこれは愛のことばだと言えば、それは恋愛の句になる。誰かが戦争のことだと言った句を、あなたは日常のさりげない一瞬を切り取った言葉だと思うかもしれない。何だっていい。俳句には解釈の可能性が無限にあり、楽しい句会に大事なのはあなたの愛ある解釈です。

 今回はSF句会と銘打ってはおりますが、主催者として句会ロボ2号が一番大事にしてほしいのは、あなたが「これはこういう句なんだ!」と思うその感覚です。私としては、皆さんが「こう」だと言うのであれば、SFでもミステリでもホラーでも映画でも漫画でもアニメでもゲームでもBLでも百合でもなんでもかまわないというスタンスです。
 世には色々な句会があると伝え聞いておりますが、私たちが続けてきた句会は、〈17文字から膨らませたイメージをみんなでワイワイ語り合う会〉です。お気軽に参加してください。最初は知らない人の前でしゃべるのが恥ずかしいかもしれないですが、すぐ慣れると思います。

***

■【参加方法説明】
SF句会の参加方法 (1)〜(3)

句会には大きく二つのパートがあります。その組み合わせで参加方法も異なります。
 A 俳句を作って出す
 B 良い句を選ぶ+句評を述べる

(1)A+B「がっつり参加したい」
 →参加したいという人へ。やっぱりこれが一番楽しいです。
  自作のSF俳句1〜3つと共に、参加表明のメールをkusfamail*gmail.com (*→@に変えてください。)までお送りください。

(2)A「俳句を出すだけ出したい」
 → 自作のSF俳句を1〜2句(それ以上は受け付けません)作っていただき、記名と共にメールを先述のアドレスまでお送りください。来れない方のためのオプションという側面もございますが、もちろんその場にいらっしゃった方が楽しいですし、句会の進行もスムースになります。どうぞご参加を。

(3)「見学したい」
 → 申し込みは必要ありません。飛び入り参加も歓迎します!!
   発言の機会を用意されるわけではありませんが、句会の中では、司会の配慮によって見学者に意見を求める場もあるでしょう。


・(1)参加の受付上限は12名 とさせていただきます。
・俳句の受付上限は、(1)(2)合わせて、40句とさせていただきます 。

■【スケジュール説明】
SF句会のスケジュール

・9月22日〜10月5日
 俳句の提出+本参加(A+B)申込み期間

・10月6日〜10月7日
 提出された俳句から良いものを吟味する期間(KUSFAブログとKUSFA公式ツイッターで公開いたします)

・10月7日
 SF句会当日。存分に語らいましょう。


■【SF俳句作りのルール説明】

・作り手がSFを感じるものであること
・季語を含むこと
・五七五の十七音であること

 下の二つは俳句の原則ですが、もちろんこれを破っていても構いません。
 ただし、句会の評価では、SFらしさだけでなく俳句としての良さも考慮されるので、可能な限り守りましょう。また、上の条件には記載しておりませんが、俳句らしさには「切れ」が大事です。これには定義に個人差があるのでルールに加えませんでしたが、上位を狙われる方はそこもチェックして俳句作りをされるとよいかもしれません。形式は大事です。縛りがあった方が燃えます。
 ゾンビはSF! クトゥルフはSF! 触手はSF! という代物も歓迎しております。
posted by KUSFA at 17:26| Comment(0) | 通常例会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする